4xC MAGAZINE
コラム
庭を、猫と暮らすもうひとつの部屋へ。
2026.09.12
― コンテナとウッドデッキでつくる、新しい暮らしのかたち ―
「猫のための空間を、今の住まいとは別につくりたい。」
そんな想いから始まった、今回のコンテナ計画。
人と猫、それぞれが心地よく過ごせる場所を分けながらも、完全に切り離してしまうのではなく、いつでも行き来できる距離に。
そこで選ばれたのが、住まいのすぐそばにコンテナという“もうひとつの部屋”をつくる方法でした。
庭だった場所を、新しい生活空間に。

もともとの敷地には、植栽のある庭のスペースがありました。
今回、その場所を整備してコンテナを設置。さらに、母屋のLDKにある掃き出し窓からコンテナまでをつなぐように、ウッドデッキを施工しました。

これによって、室内から一度道路側へ出てコンテナへ向かうのではなく、LDK → ウッドデッキ → キャットコンテナと、ひと続きの動線が生まれています。
単に庭へコンテナを置くのではなく、母屋とコンテナの間まで含めてひとつの空間として考える。
ウッドデッキには、そんな大切な役割があります。
人の部屋でも、猫だけの小屋でもない。

コンテナ内部には、猫が上下に移動できるステップを設置。
窓や空調なども備え、猫たちが過ごすための「部屋」として空間を整えました。
母屋とは別の空間だから、人と猫それぞれの生活スペースを分けることができる。
それでいて、すぐ隣にあり、ウッドデッキでつながっている。
「離す」と「つなぐ」を同時に叶えられることも、コンテナだからこそできる空間づくりのひとつです。
コンテナだけではなく、その周りまで考える。

今回もうひとつポイントとなったのが、母屋からコンテナ方向へ伸びるシェードです。
屋外に設置するコンテナだからこそ、日差しへの対策も大切です。
そこでコンテナへの直射日光を和らげることも考え、シェードを設置しました。
ウッドデッキ、コンテナ、シェード。
それぞれを単独で考えるのではなく、実際にそこでどう過ごすのかを考えながら、母屋の外に新しい生活空間をつくっていきました。

敷地が広くても、搬入できるとは限らない。
今回の現場は、住宅そのものの敷地には比較的ゆとりがありました。
しかし、コンテナは完成した箱を運んで設置するため、重要になるのが「どこを通って、どう設置場所まで運ぶか」です。
今回も搬入できるスペースには制約があり、決して簡単な施工ではありませんでした。
コンテナを置く場所だけを見るのではなく、その場所まで運び込めるのか。
周囲の建物や敷地条件を確認しながら、搬入・設置まで含めて計画することも、コンテナづくりでは重要になります。
「余っている場所」を、「必要な場所」へ。
庭だった場所にコンテナを置き、その間をウッドデッキでつなぐ。
それによって生まれたのは、単なる「猫専用の部屋」ではありませんでした。
母屋を大きく増築するのとは違う方法で、今ある敷地を活かしながら、暮らしに必要な空間をプラスする。
家を大きくするのではなく、暮らしを外へ広げていく。
キャットコンテナは、コンテナだからできる暮らし方のひとつです。

